ラグビーセミナーコラム1 世界ランク1位の常連だったアイルランドの心を完全に折って勝利した日本代表

この投稿は、2019年9月28日に和佐木坂サロン内で公開された木坂さんの投稿です。

こんばんは、木坂です。

はじめての投稿になりますので果たして本当に投稿できるのか不安を抱えながらになりますが、ワールドカップが開催されている今を逃したら一体いつ投稿するのか、という切迫した思いを同時に抱えつつこの文章を書いております。

実は、今回、全く違う記事を投稿する予定で下書きも終わっていたのですが、本日我が日本で大変な事件が起こってしまったので急遽記事を差し替えて投稿します。

日本がアイルランドに勝利。

この意味と衝撃は、とてもではないけれど書ききれません。

4年前、突然南アフリカに勝利した。

世界中が驚き、ラグビーを越えてスポーツ史上最大の番狂わせ、と呼ばれました。

もちろん、その時のインパクトには、今回の勝利は及ばないのですが、しかしながら内容的には4年前を上回る衝撃が、個人的にはあります。

まず、4年前は、完全に日本を舐めてかかってきた南アに勝利した、ということ。

今回は完全にマークされた状態で勝利した、ということ。

ついこの間まで世界ランク1位の常連だったアイルランドの心を完全に折る形で勝利したこと。

アイルランドのような強豪国、伝統国に「勝つことをあきらめさせる」というのは、僕に公務員を全うさせることより難しいことなのです。

そして、これはテクニカルな話になりますが、この試合を通して日本のディフェンスのシステムは全く崩されなかった。

ラグビーというのは、実はディフェンスのゲームです。

ディフェンスがよいチームが強いチームであり、ディフェンスが強いチームが勝っていくゲームなのです。

そしてディフェンス、というのはつまるところフォワード(背番号1~8の皆さん)の力によるところが大きい。

だから昔からラグビーは

「勝敗フォワード、点差はバックス」

と言われるわけです。

日本のフォワードというのは、世界的に見てもサイズが小さく、絶対的にパワー負けしています。

対してアイルランドのフォワードは、南アと並んで世界最大にして最強と言われていました。

スクワットを、300キロ担いでやるような人がいるチームですから。

そのアイルランドフォワードに対して何もさせなかった、というのはラグビー的な観点から言うととんでもないことなのです。

「自分たちより小さな相手に対して何もできない」

という状態が何十分も続くと、いかにアイルランドの精鋭たちと言えど、心に迷い、焦り、恐れなどが生じてきます。

徐々に自分を見失い、自分たちが積み上げてきたものを信じられなくなってくる。

その状態に早く相手を持っていった方が「流れをつかむ」ことになり、最終的に勝つわけですが、アイルランドが後半無得点に終わっていることからもわかるように、今回は日本がそれを達成したのでした。

アイルランドが初戦スコットランド相手にやったことを、そのまま今回は日本がアイルランドにやった形になります。

おそらく、前半35分のスクラム。

ここがアイルランドフォワードの心を確かに折った瞬間だったのではないかなあと、フォワード出身の僕は思います。

4年前の南ア戦よりも、ラグビーとして、素晴らしい試合だったと思います。

全てのラグビーをやっている人が教材にできる試合でした。

これを機に、(ラグビー関係の投稿を)継続していこうと思います。

木坂

当時の試合(YouTubeより)