ラグビーセミナーコラム7 ラグビー部の頃にダンス部の女子に言われた一言

この投稿は、2019年10月12日に和佐木坂サロン内で公開された木坂さんの投稿です。

こんばんは、木坂です。


たくさんのとても素晴らしいコメント、ありがとうございます、読んでいて楽しいですしやはりモチベーションになります。

ところで「かわいい」というのは告白ということでいいのかな。でもごめん、僕は「最高の男」と「まあまあの女子」だったら後者を選んでしまう程度にはストレートなんだ。

いやしかし、コメントが素晴らしいので書きたいことが溢れすぎて困りますね。

ラグビーの素晴らしさが少しでも多くの方に伝わればいいなと思ってふぇいすぶっくを始めた甲斐がありました。


ラグビーの本当の意味での素晴らしさって、あまり語られることがないというか、そもそも日本では人気スポーツでもないので語る場が与えられないというか、そういう感じだと思うのですけど、こうやって聞いてくれる人がいるというのはありがたいことだなあと思っております。

やっぱコミュニティですよ!(突然)

思えば、僕が高校生の頃、ラグビー部というのは剣道部、柔道部と並んで「三大悪臭部」として被差別カーストヒエラルキーの頂点に君臨しておりました。公平に言って、大事なので二回言いますが公平に言って、ラグビー部のオイニーというのは、床にこぼした牛乳を拭いて生乾きになった雑巾よりはだいぶマシなのです。なのに、なのに。。。

今でも覚えていることがあります。

部活を終え、校舎と体育館を結ぶ渡り廊下の端っこでみんなでスパイクを脱いでいると、我々とは対照的な素晴らしい香りのしそうなダンス部の皆々様が通りかかったのでした。彼女たちは我々を、まるでばい菌でも見るかのような目でチラ見してこうつぶやいたのです。

「土人。」

土人。ドジンて。なんなん、それ。

まず誰なの、その人。この世にいるの、いないの、ユニコーンとかツチノコとかクリリンとかそういうやつと同じカテゴリーなの?それとも未開人という意味の差別語なの?単に泥にまみれてたから「土(まみれの)人」って造語が電光石火で思い浮かんじゃったの?というかなんで通り過ぎざまにつぶやいたの、何を僕たちに伝えたかったの。


・・・と、様々な思いが駆け巡ったのですが、当時のラグビー部などという存在はこの程度の扱いだったわけです。おそらく、大なり小なり、どこの高校でも同じような扱いだったと思われます。そうであれ。


我々ラグビー部が唯一尊厳を保てることは、なぜだかよくわからないけれど、毎年学年で一番かわいい女子がマネージャーになってくれる、という、ジンクスがあることくらいで、それ以外は全く何一つ、上を向いて歩く材料がなかったのです。

このような事情でしたから、毎年新入生を勧誘する際に、代々先輩方から受け継がれていた「殺し文句」はただひとつでした。


「ねえ、君、モテたい?そりゃモテたいよねえ?高校デビューしちゃいたいよねえ?一番モテる部活何か知ってる?サッカー?バスケ?ブッブー、全然外れ、正解はラグビー部なんだよ。あ、疑ってるでしょ?じゃあ見てみ、あれ、うちのマネージャーたち。モテない部に、あんなかわいい子ばっかり来ると思う?ね?そうでしょ?」

まるで喫茶店で行われているマルチの勧誘ですが、これのおかげで毎年10人以上のかわいそうな新入生が入部届を出したものでした。ラグビーの精神とかどこいったんだ。

Jリーグができる前はラグビー人気もなかなかすごかったのですが、やはりオールブラックスに145点取られたりしてからですかね、あっという間に人気がなくなり、こういう不遇の時代がとにかく長かった。

ワールドカップがあろうが誰も話題にせず、ただのマイナースポーツとして細々と、まるで悪いことをしているかのようにコソコソとやるような感じでした。

それが今や、こんなにみんなが関心を持ってくれるようになった。

僕のしょーもない投稿をこうして読んでくれるばかりか、このサロンに関係ないところでも、全国で話題になっている。グッズもバカ売れし、チケットもほぼソールドアウト。

全ては日本代表が8年かけて築き上げてきたもののおかげですが、僕が高校のころからは全く想像ができない現実で、文字通り夢のようです。

今回は、台風が来ているということもあり、ちょっとした思い出話をしてみました。台風何の関係もないけど。12日は全ての交通が使えず基本的に家にいる予定なので、もう一回くらい更新しちゃおうかな、という点においてのみ、多少関係があるかもしれません。

ではでは、みなさんくれぐれも用心して、台風が過ぎ去るのをおとなしく待つようにしてくださいね。

木坂

追伸:今日の「ラグビーらしい動画」のコーナーです。

わずか20秒、とても短い動画ですが、終始ラグビーらしさがあらわれています。自分のせいでチームに大きな迷惑をかけ、大敗し、その中で謝りに行ったカナダの選手も素晴らしいですが、カナダのジャージを着て、笑顔で迎え、ビールを渡す南アの選手たちも素晴らしい。